子ども進学支援は継続的な取り組みを~決算委員会①

  1990年代には品川区の就学援助を受ける児童生徒は5人に一人でしたが、ここ数年27%と4人にひとりが就学援助を受けるという状況が続いています。就学援助の基準は各自治体で異なり、区では就学援助費支給要綱により運用しています。 

厚生労働省が10月11日に発表した2011年の所得調査では世帯単位の平均当初所得は年約405万円で3年前の前回調査より約40万円も減少しているらしい。特に若者や母子世帯は経済面で厳しい状況にあるケースが多い。若者の完全失業率は全体の数字を上回り、正社員を望みながら非正規雇用で働く割合が高く、「所得の再配分」は、貧困層の若者には機能していないと指摘する声がある。母子世帯の当初所得は196万円と全体平均のほぼ半分。社会保障給付などを反映させた再分配所得でも258万にとどまっている。(新聞より) 

就学援助は義務教育の中の支援だが、親の収入を理由に進学をあきらめない支援制度が二つあります。一つは東京都の受験生チャレンジ支援貸付事業で中学3年、高校3年生を対象に塾代、受験料を無利子で貸し付けます。高校や大学当に入学した場合には返済が免除されます。もう一つは生活保護を受給している世帯の中学2年、3年生に次世代育成支援として高校受験の塾代が支給されます。

入学後のフォローがなければ、やりっぱなしの政策どまりになりますから、高校入学者と中退者を委員会では確認をしました。。品川区では生活保護課のケースワーカーが積極的に高校進学を働きかけており100%高校進学をしています。中退率は4%程度でその後のフォローもしっかりとしていることが確認できました。ただチャレンジ貸し付けを受けている子どもたちが200人ほどいますが、こちらは後追いやフォローができていません。子どもにかかわる児童センター職員等にも協力して頂き、数か月に一度のかたり場など企画したり、何か工夫して継続的な体制づくりが求められます。(井上八重子)

広報しながわ10月11日号~塾代を支援します~受験生チャレンジ支援貸付(P5)