どういう社会を選んでいくのかという大きな問いかけがそこにはあった

・第1章新型検査の上陸・第2章出生前診断が浸透した国・第3章スクリーニングの歴史と思想・第4章日本の歩んだ道・第5章どんな社会をつくってゆくのか

定例になっている週末の介護で、母を介護しながら1冊の本を読んできました。
その本は坂井律子さんの著書「いのちを選ぶ社会 出生前診断のいま」です。

出生前に妊婦の血液でダウン症の診断をするということについては、とても大きな問題を抱えていると思います。
出生前診断とは「胎児の健康状態の診断」でおなかの赤ちゃんの情報を知って医学的な治療を行ったり、分娩に備えるというものであるのでしょう。しかし「命を選ぶ」ことだとしたらどうでしょうか。

著者の坂井律子さんはNHKのプロデューサーです。報道する立場として、わからないことが多すぎるということでこの本は書かれています。

技術が難しく海外で行われているので避けられないといわれているけれど海外ではどのくらい普及しているのか?そこに議論はないのか?「妊婦がみな受けたがっているので検査できる施設を増やしてほしい」と報道されているが、どんな検査かわからないうちにみんな本当に受けたいのか?障がいのある人に不利益をもたらさないのか。

少し前に芸能人の夫婦が、出生前診断がどのようなものかわからず受けてしまったという報道がされていました。カウンセリングが必要でそういった環境が整わないままにアメリカや中国から新型出生前診断が押し寄せてきていることに私も危機感を持っています。

本を紹介してくださったのは遠山真学塾を主宰している小笠毅さん。

小笠さんの学習塾ではダウン症の子どもたちも学んでいます。学び方をいろいろ工夫し、学びあうことで学ぶ喜びを実感して伸びていく。そんなお話を1月25日、今週の土曜日に荏原文化センターで伺います。
案内はこちら。

そして1月31日には遠山真学塾主催で坂井律子さんのお話を聴くことができるそうです。
遠山真学塾ホームページ