いじめ防止条例と子どもの権利条約とは趣旨が違う?!

11月26日、品川区議会第4回定例会が開会しました。
11月26日・27日と一般質問が行われるのですが、26日5番目が品川・生活者ネットワークの田中さやか議員の一般質問でした。傍聴に行ってきました。 

田中議員の質問は以下5項目です。

・給食の食材料規格について
・給食食材の放射性物質検査について
・すまいるスクールの制度変更に伴う具体的な運用について
・いじめ防止対策推進条例と、義務教育学校について
・改訂版配偶者暴力対策基本計画の取り組みについて 

品川区は「いじめ防止対策推進条例」を来年第1回定例会に上程する予定です。ただし素案の公表もパブリックコメントも行わないという姿勢です。実施を求めて以下の質問をしました。

(以下抜粋)
次に、いじめ防止対策推進条例について伺います。
9月8日に開催された第2回総合教育会議でいじめ防止対策推進条例の考え方が、案として提案説明されました。条例案について区は、素案の公表も、区民の意見募集であるパブリックコメントも行わないまま、来年の第一回定例会に議案を上程する方針といいます。条例といえば区民生活に直接かかわる問題です。

過日の決算特別委員会でも、事前に条例案の情報が議会に出されなかった「すまいるスクール条例」に対して、複数の議員が異を唱えたことは議会として当然のことです。

ましてや全国的にいじめが起こっている中でも、自ら命を絶つ事件を起こしてしまった当該自治体として、教育委員会と行政内部で条例を検討し、立法機関である議会が条例案の内容を上程前に議論する機会もないのであれば、議会の責任も問われる事態であると考えます。

子どものいじめ防止条例であれば、子どもの権利を守り抜くために、子ども同士、教師と子ども、子どもと家族、そして子どもと地域の間でも、条例について、広く議論をする場が保障されることは不可避です。

どうしたら未然にいじめの芽を摘むことができるのか、解決主体としての子どもの視点を持ち、子どもも参加し、どういったケースにおいても、子どもの最善の利益実現のために、何ができるのか、何をすべきなのかに立ち返って条例を検討していくことが重要であることは、生活者ネットワークは言い続けてきました。

会議資料によれば、条例案の構成は、目的、基本理念、対象は(区立学校)、責務・役割は(区、教育委員会、学校、教職員、保護者、地域、関係機関等)となっており、子どもが主体であるという考え方が抜け落ちています。

往々にして、いじめの被害者と加害者の対策が優先されがちですが、その原因や傍観者である子どもたちに寄り添い、目が向けられる条例であることが望まれます。 

Q:子どもの権利条約に基づき、人権侵害に対しては、適切な救済を求めるものとするなどの内容を盛り込むことを求めます。区の見解を伺います。

Q:たくさんの方の意見を聞き、条例を共有するために、素案の公開は欠かせないものと考えています。拙速に議案の上程をするのではなく、素案の公開と区民意見募集制度を実施することを求めます。見解を伺います。

 その答弁を聞いて耳を疑いました。 

教育次長は何と「この条例は子ども権利条約と趣旨が違う」と答えたのです。!!ビックリしました。どうぞ、みなさん、教育委員会が答弁した内容を直接、CATV放送で確認してください。
田中議員のCATV放映予定は12月2日(水)20:00~20:45、(再)12月5日(土)18:00~18:45です。(この時間にCATVを見ることがかなわない方は、後日区議会ホームページからインターネット放映もあります。こちらにアクセスしてください。) 

いじめ防止条例には、子どもの権利条約に基づく「子どもの権利を尊重すること」を盛り込むことが何より大切です。自分と同じように友達にも権利があるよということを子どもたち自らが理解することは基本のきです。いじめの事象のみを、大人が対処するという姿勢では解決できないという根本的な所を、子どもに直接かかわる部署が理解していません。

人権意識のかけらもない人たちによっていじめ防止条例の原案がつくられているのです。(言い過ぎかもしれませんが、本会議で答弁を聞いていてそう感じました。) 

条例の公開についても、条例は議会の専決事項なので、市民に公開する必要はないと切り捨てました。
 議会が意思決定機関として、専決事項の条例の策定、改廃を決定するのは間違いではありません。しかし決定する前提に、議員に市民の意見が集まってなければなりません。その意見を反映した議論が議会で行われ、決定をするという本当の議会の役割を行政が理解していません。議員の中にも、『議員』の専決事項と勘違いされている方もいるかもしれません。

専決とは広辞苑によると「その人だけの意見できめること。また、勝手に裁決すること。」とあります。 

区民が選挙で投票するという事は、投票した議員に「白紙委任する」ことではありません。 

議会の傍聴をするといろいろなことが見えてきます。どうぞ機会があったら時間を見つけて本会議傍聴や委員会傍聴にお気軽に立ち寄ってみてください。(井上八重子)