品川区議会「品川上空を低空飛行する新ルート『見直し』を求める決議」採択!/一方で、『反対』を明確化した議員提出議案は賛成少数で否決!

区議会として容認できないという議決を全員起立で採択しました。」これはひとえに粘り強い市民運動の力です。(2019.3.26第1回定例本会議)

品川区議会第1回定例会最終日の3月26日、区議会として品川上空を低空飛行する新飛行ルート計画の見直しを求める決議を全会一致で採択しました。

都心上空を低空飛行するこの計画は、騒音による健康被害や落下物による命の危険に繋がる不安、市民生活を脅かしかねない様々な問題をはらんでいます。計画発表以来、市民は計画の白紙撤回を求めて連帯し、品川区や区議会に働きかけてきました。今回の意思決定機関である区議会が計画の見直し決議を行ったことは、粘り強い市民運動の成果です。
濱野区長は、区民の負託を受けた議員総意のこの計画見直し議決を真摯に受け止め、国土交通省に対して計画の見直しを強く求めるべきことは当然です。

 

しかしながら、議会の中では様々な動きがあり、『羽田新飛行ルート計画を容認できない』としながら最終本会議には2つの決議案が提出されていました。どちらの案も内容は「新飛行ルートは容認できない」というものですが決議案のタイトルは 議員提出議案第1号「品川上空を飛行する羽田新飛行ルート計画に反対する決議」 議員提出議案第2号「品川上空を飛行する羽田新飛行ルート計画に関する決議」 で、どこが違うのかと言えばタイトルに『反対』が入るか否かです。

品川・生活者ネットワークは「反対」のタイトルのある第1号議案に田中さやかが提出者、賛成討論を吉田ゆみこが行いました。同案の賛成討論は他に安藤議員と筒井議員。一方、2号議案は、新飛行ルートに反対する決議の提出を区議会の総意として提出できないかとネット、共産会派が働き掛けたのに対して、反対までは言えないとして、自民・公明・国民民主が別に提出したものです。

本会議場の傍聴席は空席が3席ほどで、羽田新飛行ルート決議の行方に関心を持つ市民でいっぱいでし

『反対』の入る1号議案は賛成少数で残念ながら否決されました。賛成13名(ネット、共産、無所属品川・無所属議員)反対16名(自民・公明・国民民主・無所属)

た。2号議案の賛成討論を行った、自民・公明・国民民主の各会派議員は、一様に『計画は容認できない』と明確に発言していました。しかし反対の文言のある1号議案には賛成することはありませんでした。

1号議案の賛成少数の否決は残念ではありますが、すべての会派が『計画は容認できない』という意思を示したこと、そして繰り返しになりますが、意思決定機関である議会が計画の見直しを求める決議を採択したことに大きな意味があります。新飛行ルート計画を白紙撤回に持ち込む1歩となったことは事実です。
NHKが取材しており議会傍聴席にカメラが入っていました。NHKでは3月26日当日の夜に、議員提出第2号議案「品川上空を飛行する羽田新飛行ルート計画に関する決議」が全員一致で採択されたことを報道しました。

(井上八重子)