56号議案「品川区一般会計補正予算」に反対討論を行いました

2014年11月11日 23時41分 | カテゴリー: 活動報告, 議会報告

現在、2013年度決算を審議する決算特別委員会開催中です。

例年より1か月遅れの第3回定例会には補正予算が上程されました。この中で11月より販売が予定されているプレミアム商品券の増額補正を議決しないと販売ができなくなることが判明。予定していた契約案件に急きょ補正予算の議決も10月28日に合わせて行うことになりました。補正予算では学校の通学路への防犯カメラの設置経費と芳水小学校の基本設計経費には賛成しかねると判断していましたので、あわてて反対の討論の準備をしました。

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[56号議案「品川区一般会計補正予算」反対討論]

私、無所属の生活者ネットワーク井上八重子は、第56号議案「品川区一般会計補正予算」に反対の立場で討論を行います。

本補正予算案には重要な賛成すべき事案も含まれていると承知していますが、この中で歳出予算7款教育費2項通学路防犯カメラ設置31376千円と芳水小学校改築計画基本設計委託14940千円、債務負担行為同芳水小学校改築基本設計委託29.880千円の追加が含まれていることを看過できない問題として反対するものです。 

1点目の通学路の防犯カメラ設置は、都2分の1補助金で設置コストのみ充当することができ、維持管理費いわゆる運営コストは区負担です。補正予算では16校に68台を設置し、今後5年間は毎年申請を受け付けるというものです。小学校37校1校上限5台とすると最大設置数は185台。設置コストは5台で200万と想定していますから、差引1校105万円、設置経費は3.885万円が一般財源の支出です。さらにランニングコストは東京都の試算で1台54000円としていますから、毎年999万円、およそ1000万円の経費を見込まなければなりません。

国勢調査や政府統計などをもとにした、品川区の犯罪認知件数は人口割で23区中6位という治安のよい自治体にランクされています。区独自の犯罪抑止力施策としてもまもるっちの配布、83運動の推奨、安全パトロール隊の常時警備と取り組んでいます。にもかかわらず、かくも積極的に通学路の防犯カメラ設置導入を進めることは、区長自ら、抑止力以上に品川区の治安に不安があるかのごとくメッセージを発信することにほかなりません。

昨今の子どもが被害に遭う報道に心配をし、心を痛める保護者が多いことは理解できますし、気持ちもよくわかります。だからこそ小学校では自ら通学路を含む危険個所を調査し、ヒヤリハットマップを作ることを授業に取り入れています。子どもたちが危険個所を知り、対策を考え、対処する心構えや行動をはぐくむことは、危険回避や犯罪抑止にたいへん有効であると思います。

そもそも防犯カメラ設置導入は、防犯という名分のもと、公道を通行する市民を犯罪予備軍とみなして監視するもの、人権侵害を内包するものと言わざるを得ません。監視社会へと無自覚に進むのではなく、園や学校を地域住民にひらくことから始め、子どもの意見を取り入れた防犯対策と地域コミュニティの再生とつながる取り組みにこそ力を入れるべきことを指摘し、反対理由とします。 

2点目の芳水小学校改築計画基本設計委託14940千円、債務負担行為追加29.880万円について反対理由を以下に述べます。
この補正予算は補助金がらみではないので、すべて区の一般会計からの支出による補正予算です。

補正の根拠は大崎地域の再開発により芳水小学校の需要が増加することが見込まれ、2020年ごろに児童数が増加するので改築を考えると早いほうがよいというのが理由です。しかしどのくらいの需要が見込まれるのか根拠となる数字は示されていません。

大崎の再開発は今に始まったものではなく長年にわたり計画されているものなので、当初予算に組み込めない理由はありません。さらに4カ月後には2015年度予算の審議を始めようとするこの時期に補正を組んでまで行う理由の説明はありません。  

芳水小学校の改築は大崎図書館の移転計画の折りに、芳水小学校に図書の閲覧コーナーを計画しているという教育委員会の答弁が背景にあるとしか考えられません。さらに品川区は承諾ずみですが、東京都が強引に進めようとしている特定整備路線補助29号線の代替地として、大崎幼稚園に大崎図書館の敷地を、と提案しています。大崎幼稚園も突然の29号線問題に苦渋の選択を迫られていますが、区民の財産である土地建物の扱いが区民のあずかり知らないところで勝手に進められているのです。

品川区には、他区市では保障されている図書館利用者懇談会や、市民参加の運営協議会もありません。本来ならこうした場を市民に保障し、意見聴取を行いながら施設再編を進めるのが成熟した自治体運営です。施設の持つ価値を、利用度・環境・コストなど総合的な観点で評価できるのは、施設を利用する市民です。十分な情報提供を保障し、市民が発言できる場を増やし、最終的には議会が議決する、そういう参加と自治を広げなければなりません。

 大崎図書館の移転を住民や図書館利用者が合意納得しているとは到底思えません。図書館移転計画は白紙撤回して慎重な議論を以って進めるべきです。
図書館移転を既成事実化する芳水小学校改築基本設計委託には反対します。 

以上の理由により7款教育費2項学校教育費の反対討論とします。
(井上八重子)