2011年8月27日都立産業貿易センター台東館で「3.11原発震災以降を私たちはどう生きるか」と題した、核・原子力のない未来をめざす市民集会が開かれました。協賛は原子力資料情報室と東京・生活者ネットワーク。
元原子炉圧力容器設計技術者のサイエンスライターの田中三彦さん(中継はこちら)、子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク代表の中手聖一さん、そして京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんからそれぞれの立場で、起きてしまった(起こしてしまった)福島原発事故の話を聞きました。
田中三彦さんの話は、素人の私たちには難しい話でしたが、これまで東電が公開してきた各種データから判断すると少なくとも福島第一原発1号機に関しては地震発生時に原子炉系配管が冷却喪失事故を起こした可能性が極めて高いという話でした。東電は想定外という分析結果になるように震災当時から情報を隠しています。
想定外の大津波とするならば、津波対策と電源対策を既存の原発再開・運転継続の条件として現政府の基本方針でよいわけですが、大津波とは無関係に「地震動」で重大な損傷を負ったとなれば、「原発中枢構造の耐震脆弱性」が問題となり、地震大国日本の原発の安全性を根底から揺るがすこととなり、中部電力・浜岡原発を動かすことは事実上不可能だと言います。
真実を隠して「想定外」ということで国民を欺くことはもうやめてほしいです。東電と政府の発表報道しかテレビも新聞もしません。おかしくないですか?
東電と違う立場の報道をマスコミは公平に扱って、その反論があればそれをマスコミは取り上げて、国民に知らせるのが役割ではないのかしら。私も今日のような集会や講演会に参加をして原発事故の本筋を見極めようと努力しています。集会に参加できない人もいます。そいった人にも正確で公平な報道の在り方をマスコミは追及してください。
8月31日付の朝日新聞に東電が福島原発第一、第二原発周辺の五つの断層が動く可能性を否定できないと新たな評価をしたにもかかわらず、動いたとしても想定を超える揺れは起きないと結論付けたと報道されていました。今回の地震で東電が活断層はないとしてきた断層が動いたため、経済産業省原子力安全・保安院が東電に検討を求めたというのです。原発は地震大国日本でも安心といっている東電が「断層による地震が心配です」なんて言いっこありません。
国策として進めるのであれば、政府(国会)が原子力安全に責任を持つべきです。国民の多くはその責任が果たせないことを知っています。 (井上八重子)