補助29号線計画はやっぱり無理!ではないですか
戦後復興道路として計画された品川区の都市計画道路『補助29号線』。
計画はあるけど動きますかねぇ程度のものだったのですが、東日本大震災の被害や防災対策のために突如、東京都が2012年10月優先整備道路に指定をしました。そして事業概要説明および測量説明が昨年から始まっています。(2013年4月4日HPに掲載)
この計画は大崎五丁目の大崎警察脇から大田区東馬込二丁目までの3.5kmで、その7割近くは道路のない住宅地を通ります。つまり滝王子通りに見られるようなセットバックをして道路を拡幅するという計画ではありません。
まちづくり支援を行うNPOのメンバーから依頼を受けて6日(木)の午前中、大崎警察から戸越公園駅まで計画されている街並みを一緒に歩いてみました。
起点になる峰原坂は何年か前に改修されているので新たな道路の必要性はありません。通りには事業認可が下りていないので新築工事も行われています。その先には大崎幼稚園。ここも20m幅の道路の中に入りますので、幼稚園の移転も大きな課題であり、園庭にある見事な桜も気がかりです。わかば公園の半分が削られ、そこから戸越銀座通りまでは住宅地になります。戸越銀座商店街を横断して八幡坂を通るので商店街を第二京浜で分断しているようなまちを想像したらいいと思います。もったいないですね。それからさらに住宅街となり宮前小学校の脇から宮前商店街、さらには26号線を横断してとごし公園通り・戸越公園駅前南口商店街までがすっぽり道路用地の中に含まれてしまいます。
1時間半をかけて戸越公園に到着し、今日はこれで終わりということにしました。
一緒に歩いた都市計画道路の学習会の講師であった伊藤さんからは、生活再建のめどが立たなければ住民は移転なんか考えられない。事業認可が下りたとしても工事着工までには10年以上はかかるだろう。行政の立場からは予算執行ができず事故繰り越しとなれば補助金を国に返さないといけないという問題も発生する。
住民も行政も理解しない、されない、ままのスタートではどちらも不幸になってしまうじゃないですか。と私は思いました。
行政の仕事はいま頑張ることが求められていて、その後の事はまあ私には関係ありませんからみたいなところがあります。しかし生活している住民はそうはいきません。東京都決定・施行といえども品川区行政が住民の立場にどれだけ共感するかです。もう一度住民と災害予防について協議の場を設けることを提案します。(井上八重子)