しかし9.11のテロ事件をきっかけに日本を合法的に戦争ができる国にしていこうとするような憲法改正議論がみられます。
いまの憲法が自衛隊の存在を含め現実と乖離している。だから憲法を現実にあわせていこうとする改憲論。これには相当違和感がります。
憲法とは何か?
主権者である国民が国家を監視し、国を治めるために国が守らなければならない最高の規範として定められたものが憲法です。憲法を政府は都合のよいように解釈して自衛隊を国連決議のないままに派兵してきた現実を、憲法がいまの時代に合わないから憲法9条を改憲しましょうというのはおかしなはなしです。
改憲の中には9条だけではなく24条や新しく環境権やプライバシー権の加憲という議論も含まれています。
新聞報道に弁護士のコメントとしてこんな記事がありました。
憲法を変えると、法律も変わり、社会のあり方が根本的に変わる。憲法24条は『婚姻は両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。』とあるが自民党の改正要綱は「家庭を良好に維持する責務」を記す。じゃあ、離婚は憲法違反なのか、仲の悪い夫婦は違憲状態なのかと。
改正することでどう生活が変わるのか憲法に定められた主権者として私たちは憲法を考えていかなければならないのです。憲法を改正する必要があるのかどうなのかを含めて。
戦争放棄を明記した平和憲法で守られてきた市民の生活は、世界のあちこちで起こる戦争やテロ事件などで危ういものになりつつあるから憲法を変えなければ平和を維持できないと考える人もいるようですが、私は平和憲法を守りぬき平和外交を優先すべきと考えています。
政治家や官僚、マスコミによる憲法議論が報道されていますが、主権者である市民が日常的に憲法を自由に議論しあい、憲法を市民生活に生かしていくことを考える場を持つことが必要です。