生活を制度に合わせなければならない矛盾

介護保険や障害者自立支援など国が定めた制度には利用者のニーズにあっていない場合もあり、使いづらさが指摘されています。

NPOが主催する『移動支援フォーラム2007』が1月23日(祝)に文京シビックセンターで開かれ参加してきました。2006年にだれでも自由に移動できる社会をめざして発足したNPOと東京頚椎損傷者連絡会、日本自閉症協会東京支部が共催のイベントです。身体に障がいを持つ人、人的な支援が必要な人、支援をする側の人、制度を作っていこうとする人が集まって、だれもが自由に移動できる社会をめざして情報を共有しました。
日本ではやっと移動制約者に対して、交通バリアフリー法やバリアフリー新法によって交通機関へのエレベーターや落下防止のプラットホームドアの設置、ノンステップバス導入、入り口の段差解消、誰でもトイレなどの施設整備が進んできましたがまだまだ不十分です。

冒頭に国会での法律審査の話が出ました。交通バリアフリー法の審議で国会の参考人となったDPI本会議の交通問題担当の今福義明さんのお話では、国会の中で一番に訴えたのが「乗車拒否をしないでほしい」ということだったそうです。いまだに?!と思いますが当事者としては切実な問題として続いています。

第1、第2セッションを通して、生活実態に合わない制度が当事者から明らかにされました。重症筋無力症は内部障がいで短時間なら歩行ができます。そのためハローワークでも福祉の窓口からも排除されたという経験。また障害者自立支援法で通院介助が認められるようになったら、帰り道に買い物がダメになった。行動援護は国費が出るから使えるが、移動支援は自治体負担なので利用許可が下りない。行動援護は5時間が限度とされているため、行きたい所も我慢しなければならない。利用できる支援であっても、制度に生き方を制約されるのでは本末転倒ではないでしょうか。

今日の会で豊島区を拠点に障がいを持つ人たちの支援活動をしている「生活サポートセンターこっとん」の藤井さんの話には共感するものがありました。障がいを持つ子どもが親以外の人と行動をともにする機会(移動支援)を持つことは、成長の過程で必要な、社会性を身につける重要な効果をもたらすという報告です。品川区には18歳未満の子どもに対する移動支援という考え方が希薄です。早急に拡充し、子育ち支援の充実として実施すること求めていきたいと思います。