当事者の声は届かず

  国や都は視覚に障害のある人が横断歩道を安全に渡れるように歩道上に点字ブロックを敷くエスコートゾーンの整備に取り組んできています。品川区もやさしいまちづくり計画にエスコートゾーンの設置を盛りこみました。区は予算特別委員会で設置の方向で警視庁と協議を行っていると答弁しました。

当事者の方々は歩道の距離が長く交通量の多い危険な道路への設置を望んでいましたので直接警視庁へも要望しました。昨年の6月議会の一般質問では当事者の方々の声を聞き取り、当事者の要望を反映した所への設置を提案しました。ところが区が予定地として選んだ歩道は下神明駅から区役所に来るところと区役所広場の正面に当たる歩道の2箇所です。この場所は視覚障害者の意見を一度も聞かず選考されています。役所の前に設置する理由はデータ収集にあるというのですが、当事者の方々はどうせ敷設するのなら交通量の多い危険な道路でデータを収集してほしいと重ねて要望してきたと聞いています。

最近区役所前の2箇所の横断歩道にエスコートゾーンが完成しているのに気づきました。結局のところ利用者のことより役所の論理が勝ったということです。これって定額給付金は景気対策にも生活保障にも役に立たないと国民の声が届いているはずなのに、その声を聞こうとしない国政与党と同じ構造ということでしょうか。(井上八重子)

写真は区役所前のエスコートゾーン