重度訪問介護が8時間では少なすぎます

「自ら発信しよう 障害者が地域社会で心豊かに暮らすために必要なこと」という冊子を障がい者団体の方から頂きました。団体の定例総会での発表をまとめられたものですす。この中に重度訪問看護を8時間受けている方の生活実態が紹介されています。

●11時から19時までの8時間では昼食が12時半ぐらい、身の回りの世話と入浴介助をしてもらって、夕食が17時。「空腹感がなく食べられないので1日1食の毎日かな」と。 

●入浴4日とそれ以外の3日のメニューに分けて利用されている方もいます。入浴日では8時間を朝の起床・身支度・朝食と夕食から入浴・就寝までの二つの時間帯に1日を分けているため、昼間の食事とその間のトイレ介助は単身の家族の世話になっているといいます。現在の8時間から倍の16時間の支給がもらえれば家族介護抜きで一人暮らしが可能ではないかと希望を語っています。 

最低8時間という自治体でも、「必要な重度訪問介護」が保障されれば親が居ようが居まいがヘルパーの介助を受けながら、自分の家で暮らし続けることができています。 

品川区は重度訪問介護は上限8時間。この問題を取り上げて2008年第2回定例会の一般質問で支給時間の拡大を求めました。

(以下抜粋・井上)品川区の重度訪問介護は、現在1日8時間を目安に、一月248時間の支援を受けています。家族が同居の場合は1日6時間です。5年以上前の全身性障害者措置制度の8時間という目安が今も続いています。しかし、厚生労働省の事務文書は、自立支援法に基づく支給決定の留意事項として、国庫負担基準が支給量の上限ではないこと、申請には障害者程度区分だけではなく、一人ひとりの事情を踏まえて適切に取り扱うこと、特に日常生活に支障が生じないように個別給付のみならず適切な支給量の設定を行うことと示しています。今後、自立した生き方を尊重し、さらに支援体制を充実していくために訪問介護など、サービスの量の見直しなどはお考えでしょうか。 

≪区長答弁≫重度の障害者の自立支援についてですが、障害者本人が望む自立した生活を実現するためには、障害者ケアマネジメントの実践の中で障害福祉サービスの内容や量、さらには地域の社会資源などを多面的に検討する必要がございます。このような中で現在おおむね8時間を標準にサービス提供しておりますが、個別状況によりまして提供時間は柔軟に対応しているところですので、全体のサービス量の見直しは当面必要がないというふうに考えているところでございます。 

昨日終了した予算特別委員会審議の中でも、上限8時間を原則にケア会議で検討して12時間までは増やしているという答弁がありました。4年たっても現状が変わらない厳しいものだと感じています。 

介護保険が導入されて介護の社会化が進みました。高齢者福祉とともに障害者福祉でも実態を把握した柔軟な対応を品川区に求めたいと思います。(井上八重子)