ひと言提案から~50基の音響信号の機能を発揮させて
品川・生活者ネットワークは安心して歩行者が利用できる歩行者空間を提案しています。その一つが横断歩道の音響信号設置です。バリアフリーのまちづくりには品川区も理解を示し、警察の協力もあって現在区内で50カ所(2013年7月現在)の横断歩道に音響信号が設置されています。
音響信号について生活者ネットにこんなご意見がありました。
『音響信号が夜19時以降は鳴らなくなってしまうので、何とか延長してもあえないだろうか』
はて?と現地に行ってきました。
当該の信号も信号柱に音響信号押しボタン・青色延長押しボタンと表示された白色ボックスでボタンを押さないと歩行者青信号と共に音響信号が連動して機能しません。その先の音響信号でも同様に押しボタン式でした。目の見えない人がボックスの存在を知らなければ、音響信号といえども『ただの信号』です。ご意見をくださった方はいつも利用する歩道の信号が押しボタン式音響信号であることがわかっていたために、日中は安心して歩行できているが、19時以降不安であるという訴えでした。
区内に音響信号は50カ所あるのですが、そのうち昼間帯常時音響(夜間帯の設定はまちまち)が出ているのは6カ所のみです。ほか44カ所はすべて押しボタン式です。ということはほとんど区内音響信号が本来の機能を発揮できないでいるということです。
なぜ44カ所もの信号が本来の機能を発揮できずにいるのか?区交通安全担当課長(警視庁より出向)に伺うと、音がうるさいという市民の苦情によるものだといいます。警視庁としては設置した音響信号すべてを昼間帯稼働させたいと思っているが市民の声を無視することはできないという見解でした。確かに信号近くの方は常時信号が音を出したらうるさいと感じる人もいると思います。その気持ちはわかります。しかし音響信号は目の見えない人の命を守る手段の一ということを伝えたい。
歩み寄るにはどうすればよいか?
例えば、音量を下げて実施テストをする。近隣の方のご意見を聴く意見交換会やアンケートを行うなどなど
お上の上位下達ではなく、市民がまちづくりにかかわり快適な公共空間をつくるための方策を考えています。50基の音響信号の機能を発揮させるにはどうしたらよいか、妙案があったら教えてください。(井上八重子)