300人、1000件の困りごと!在宅生活を続けるための市民による提案
今年で24回を迎えるNO!寝たきりデーが9月14日土曜日に、永田町の全国町村会館で開かれました。介護保険制度がスタートして介護の社会化は実現したけれど、介護疲れで『親を殺してしまう子ども』のニュースが後を絶ちません。介護保険は一人暮らしや高齢者世帯には目が向けられていますが、家族が同居・近居だとサービスから漏れてしまうという実態が300人のアンケートから見えてきました。
2015年には第6期の介護保険計画が始まり、来年は介護保険法の改正が予定されています。『介護保険から13年、在宅で暮らし続けるために』をテーマに「今あらためて介護で困っていること」を本人・家族にアンケートを行い、309人の方から回答をえました。
個別サービスを足し算しても、高齢者の生活全般を補うことは出来ない。日中独居の高齢者には見守りニーズや総合コーディネートをいかに確保するかが課題。介護者の健康状態悪化や体力低下で介護者が精神的に追いつめられると在宅生活が破たんしかねない。介護費用がかさむ。息子が仕事を辞めて親の年金で介護する。若年性認知症や精神的病から介護者が高校生というように若年化しているという現実がうかがえます。
2部ではもう一度支援のしくみを模索すると題して、独立型の居宅介護支援事業で働くケアマネの佐藤英子さん、日本ヘルパー協会副会長の田中典子さん、日本ケアラー連盟代表理事の牧野史子さん、国立市地域包括ケア推進担当課長の大川潤一さん、座間市議会議員の加藤陽子さん、淑徳大学教授の鏡諭さんがそれぞれの立場で報告と必要な支援策の提言がありました。
ヘルパー協会の田中さんの「高齢者は暮らしの設計の教育を受けていない」という言葉に私は共感しました。実は亡くなった義父がいやいや、多分ですがデイサービスに行っていました。家で一人でいたらかわいそうと家族はデイをすすめました。本人の意思がそこには反映されていなかったように思います。支援が必要になって初めて「さぁあなたはどうしたいの?」と聞いても答えられませんでした。
皆さんのお話と1週間前品川・生活者ネットワークで行ったスウェーデンの福祉~学ぶ学習会がとても良いヒントになりました。
日本の介護保険制度のマネジメントは言い過ぎかもしれないが過保護かもしれない。利潤を求める事業にはそぐわない。高齢者人口増と保険料負担に効率という視点も必要なのだということ。<具体的にどこかでディスカッションする機会が欲しいです!!>
保険者は自治体なのだから、区の実情に合った福祉と介護の受け皿が必要です。健康づくり・生きがいづくりその延長に介護があるという一連の施策を財源と共にトータルに見なければならないということを改めて学んだNO!寝たきりで―でした。(井上八重子)