障がいのある人もない人も生きやすいまちをめざすワークショップ~空間無視とは~
だんだん生き辛さが増しています。経済的な格差は世代間はもとより正規・非正規という働き方に及び、子どもの生活を直撃しています。さらに思っていることが言えない“おかしな世の中”の気配がひたひたと忍び寄っています。
暑さは嫌いではないけれど、ちょっと度を過ぎている感があります。しかし嘆いていても始まらない。行動しよう。
というわけでず~~と前からの課題だった障がいのある人もない人も生きやすいまちづくりをめざしています。7月17日、障がいの無理解から来る偏見や差別ってどんなところにあるだろうかというワークショップに参加しました。
ゲストスピーカーは、7年前の会社勤めの時にスノーボードの事故で脳の一部に障害が残り、身体障害者手帳を取得して生活している品川区内在住の高次脳機能障害のある青年。
ゲストに高次脳機能障害者の居場所づくりや相談をしているNPO法人ViViD代表の池田敦子さんも参加してくれました。
障がいのない人もある人も交じって一緒に、彼の上肢下肢の半身まひや失語症など高次脳機能障害によっておこる症状と現在の生活の様子を聴きました。
症状は人によって違いますが、彼には左側に「空間無視」という障がいがあるそうです。これは視覚としては見えている(視野欠損ではない)けれど脳がその物体を認知しない。例えばドーナツが二つあるのに左側にあるドーナツはわからない。歩いていて壁や自転車が見えているのに左側の壁や自転車にぶつかる。注意しながら生活するので脳が大変疲れるのだそうです。
事故で中途障がいを負って、品川区には中途障がいの人が行く施設がないことに困ったといいます。彼は事故後に世田谷区でひとり暮らしをしていますが、その理由は中途障がい者である彼の行き場所が世田谷区にはあって、品川区にはなかったからです。しかしその反面、ひとり暮らしゆえに左手をかばい、利き手の右手を使って生活全般を行っていたので左手・左足のリハビリが停滞して、機能回復にはマイナスだったとかもと当時を振り返っていました。世田谷にある施設が品川区にはないという事実がショックだったという感想が聞かれました。
から旗の台の身障会館で中途自立支援訓練が始まりました。彼も体験されたそうで、評価について伺うと、まだ1度きりなのでわからないとのことでした。彼が求めているのは、自立訓練の先に就労が見える支援でした。
具体的な就労を考えるときには、労働部門に福祉の視点を取り入れることが福祉現場の就労支援よりより効果的であるという参加者からの指摘があり、説得力がありました。
福祉就労はやっぱり福祉で、いくらかの賃金を得るどまりであって、納税者となることは求められていないのが実情。都の労働局が福祉と連携強化することが重要です。
さて品川区は障害福祉課が就労支援で連携する部署はどこか?
商業観光?ものづくり経営支援課?困った!見当たらない!!
誰にも中途障がいは事故や病気でも起こります。そんな時のセイフティネットに必要な施設とはどんなものかを考える。高齢者福祉は介護保険制度や高齢者人口の増加で喫緊の課題として行政でも取り組んでいます。しかし障害者福祉は障害者の権利条約を日本が批准して、法整備が進みスタート地点に経ったようなものです。障害者差別解消法が2年後に具体的に動き出しますから、市民が市民発のガイドラインを考えられるようこのワークショップが生かされるといいと願っています。
次回は8月26日(火)10時~12時、きゅりあん男女共同参画センター会議室です。興味のある方は090-9000-6556(井上)にお問い合わせください。
第2回障害者計画策定員会のご案内
8月1日(金)14時~16時
品川区役所 議会棟6階 第一委員会室
公開ですの傍聴ができます。生きやすく住みやすいまち品川をめざして、市民力を活かしたまちづくりに声を上げていきましょう。
大田・目黒・品川3区合同高次脳機能障害講演会のご案内
重複障害を負った脳外科医
~心のリハビリを楽しみながら生きる~
日時 2014年10月5日(日)13:30~15:30
場所 区役所第3庁舎6階講堂(品川区広町2-1-36)
講師 佐藤正純先生(もと脳神経外科専門医)
主催「高次脳機能障害者と家族の会」
問い合わせは渡辺(品川支部)☎3781-0921