「安保関連法案の慎重審議」の請願は総務委員会で採択
品川区議会総務委員会を傍聴しました。
6月29日(月)午後、品川区議会総務委員会で「安保関連法案慎重審議を求める意見書」と「集団的自衛権の撤回を求める意見書」の2つの請願が審査されました。傍聴者は一般市民が8人、議員もネット1名、共産2名、自民1名、公明は3人もが傍聴するという関心の高さでした。
結果は「慎重審議」が自公を除く全会派賛成で採択に。「撤回」は、ネット、維新無所属、共産が賛成、自公に加えて民主が反対に回り、賛成少数で不採択になりました。
自公の正副委員長は二つの請願審査を一括審議すると宣言しましたが、二つの請願の内容は慎重審議と撤回で明らかに異なるものですから、一括審査は納得できません。
委員会では議員間討議をしましょうという委員の発言で一通りすべての会派が発言しました。さてこれからというときに、委員長が唐突に「一回り発言がありましたので、すべての意見が出そろいました。これ以上議論の必要なないでしょう」と強引に採決をしようとしました。これには傍聴席からは驚きと失笑が聞こえました。
委員長の発言にさすがに委員の中から「討論するのが議会。考えを改めてほしい」と議論を続行する一幕もありました。
自公の反対意見は
「戦後最長の審議、まさに慎重審議をしているのだから注視していくと言う事で意見書提出の必要は無い」
「一日7時間も、国民が選び、信託した国会議員が慎重に審議しているのだから、意見書提出の必要は無い。恒久平和を誓いながら注視していく。」
対して賛成意見は
「慎重審議に対しての意見書、慎重審議がされている今だからこそ提出するべき。民主主義を軽んじた発言が国会であり、区としても声をあげるべき。慎重審議とは1日何時間かけるではなく、中身のある議論をする事。国会では一つ一つがキチンと審議がされていない。」
「この法案は命にかかわる事。長年、平和国家を築いてきた中で憲法は国の基礎。歯止めをかける憲法に慎重に審議してもらうことは大事。次世代にも関わる大事な法案なので慎重に審議をする事を求めるのはなんらおかしくない。『今、慎重審議をやっているから…』というのならなおさら、慎重審議に意見を出して良いのではないか?」
生活者ネットの吉田議員は「法案の中身をここで議論しようと言っているわけではなく、国会において慎重審議を求めているということに議員の賛同は得られるものではないか」と主張。そもそも憲法違反の法律はあってはならないという立場で両請願とも賛成しました。
国の行政庁に対して不服や意見がある場合には、地方自治法99条の規定で意見書提出という権利が自治体議会には認められています。ところが議会を代表する議長自らが、「国家統治にかかわることは国会及び政府にお任せすべきもの」という見解を委員会で示したのには、一緒に議員として品川区議会に在籍した一人としては驚くばかりです。
委員会では採択ですが、7月8日の本会議の結果でどうなるか!!本会議傍聴にお越しください。(井上八重子)