18歳選挙権の意義
ほとんど書いていない3年日記がついに最終月になってしまいました。片や夫は5年日記の3年目でまめに書いています。前年を振り返って書くのが楽いのでしょうね。
来年は私も1月から再挑戦しようかしら。
さて今日は、早稲田大学戸山キャンパスに行ってきました。『18歳選挙権の意義と課題』と題する公開シンポジウムで主催は子どもの権利条約総合研究所です。このシンポジウムはパネラーが多岐にわたっていて、とても面白かったです。
報告者は4名。模擬選挙推進ネットワーク・東洋大学助教の林大介さんは『18歳選挙権の成立とその意義』、都立戸山高校教諭の高橋朝子さんは『18歳選挙権と教育の課題』、民法専門の山梨学院大学准教授の金亮完さんは『成人年齢をめぐる諸問題』というテーマで韓国の状況を、弁護士で神戸学院大学教授の佐々木光明さんは『少年法の年齢引き下げをめぐる問題』とそれぞれ18歳を柱にお話しくださいました。
選挙権年齢を18歳以上に引き下げる改正公職選挙法が6月に全会一致で可決・成立し、来年夏の参院選から適用され、約240万人の若者が新たに有権者になります。また、法の附則には、選挙権年齢引き下げを踏まえ、民法の成人年齢や少年法の適用年齢などについても「検討を加え、必要な法制上の措置を講ずる」と盛り込まれおり、賛否両論さまざまに議論されています。
今日のシンポジウムはこの18歳選挙権と18歳という年齢を切り口に四者が別の視点で話をされたことが興味深かったです。18歳選挙権をより意義のあるものにしたいという思いが伝わってくるシンポジウムでした。
子どもは有権者ではなくても主権者であるという視点が大人に必要だという林さんの問題意識に私はとても共感します。子どもは社会を構成する一員であるということがないがしろにされているのが、品川区だなと思っています。
私の子ども時代を振り返ると、私には「社会に役に立っている」社会の一員だという実感がありました。それは、私が育った地域は100世帯ぐらいの集落ですがお堂が2カ所ありました。そのお堂の掃除を小学生と中学生がそれぞれ任されていました。毎週日曜日の朝、箒と雑巾をもって掃除に行くということが自然に受け継がれていて、子どもには子どもの役割がありました。
現代社会で何が子どもにできるか考えれば、子どもが参画することってたくさんあるだろうと思えます。例えば児童センターの利用ルールを子どもが決めるとか、子ども議会でまちづくりに子ども意見を反映させるとか。いじめを防止するために子ども自身がどうすえれば良いか考えて条例に反映するとか。
やっぱりおかしいですよね。品川区のいじめ防止条例は子どもにも区民にも案を公表しないのですから。あきれるばかりです。
話をシンポジウムに戻しますが、今後の課題として政治の中立性という問題が取り上げられました。
一例として山口県の高校の話がフロアーから紹介されました。山口県の高校で日経新聞と朝日新聞の記事を取り上げて集団的自衛権の問題を考える授業をしたところ、その授業を読売新聞が称賛する内容で記事にしました。その記事を自民党県議会議員が、山口県議会で政治的中立ではないと抗議し、教育長が謝罪したというものです。この話は、高校の現場では結構ショックだったらしいのですが、先述の高橋さんも林さんも何がいけないのかわからないとおっしゃってました。林さんは文科省にも確認したけれど文科省も判らないという反応だったといいます。
政治家の横やりで、現場の教師が委縮しなければいいなあと思いました。
若い世代が政治に参加することはすすめていくべきと思いますが、ことさらに高校生の政治教育をどうするみたいな話になっています。しかし私は小学校、中学校、から「子どもの参加」を取り上げていくことが不可欠であると、今日のシンポジウムを聴いていて思いました。18歳の選挙権について広く地域の中でも取り上げていきたいなあと感じています。(井上八重子)